みなさんどうも、歌唄いの教育者です!
放課後等デイサービスで新卒1年の5ヶ月目から管理者として従事。 学習療育を中心に5年間務める。 不登校や発達障害の方向けの通信制高校サポート校の職務も経験。
その後、幅広い障害分野の経験を求め児童発達支援・生活介護・重度障がい者施設で経験を積む。 主に仕事上での経験や体験談を交えつつ、さらには心理学など筆者が勉強して学んだ事も用いて
発達障害のお子さん向けの学習支援やそれぞれの障害に適した筆者なりの接し方や考え方をお伝えしていきます!!
筆者自身も障害診断はありませんが小学3年生の勉強内容からつまづきがありました。
提出物や持ち物の忘れ物もとても多かったり、板書をとるのもかなり遅く
音読なども苦手でした。図工の自由課題も時間内に終わった記憶はほとんどなく、
夏休みの宿題も小中高と一度も最後までやり遂げられたことないです。
自分は怠け者だなぁと思いながら生きてきましたが、
大学生の時に始めた放課後デイのアルバイトをきっかけに発達障害を知りました。
自分と無関係なこととは思えずそのままこの業界で仕事を続け現在に至ります。
※当サイトでは筆者自身の経験や気づきや学びを元に記事作成をしておりますが、
読者の方には「こうするべきだ!」と押し付けたり偉そうに言うつもりは全くございません。
ごくごく僅かではありますが親御さまのご苦労は支援者として理解しているつもりです。
全ての発達障害や障害を持っている子どもたちの力になれればと思い
運営させていただいております。
使えないと思えば切り捨てて、
少しでもお役に立てそうでしたらぜひご活用ください。
今回は発達障害のお子さんをお持ちの親御さん向けの『子どもの叱り方と褒め方』を
お伝えできればと思います。
もちろん発達障害でないお子さんでもお子さんが言うことを聞かなくて
お困りの親御さんはぜひ参考にしていただければ幸いです。
筆者は発達障害や障害についての記事を書いていますが、
ここで発達障害の子と定型発達の子の叱り方を分けないのは、
分ける必要がないと考えているからです。
筆者が管理者として勤めていた放課後デイサービスで
親御さんに言われた言葉があります。
話が長くなり恐縮ですが、
つまり何が言いたいかというと、
叱り方や褒め方や接し方ひとつでで大きく子どもの反応が
変わりその後の行動も変わるということです。
もちろん仕事で子どもと関わるのと自分の子どもを育てるのは
全くの別物だと思います。
到底親御さまの苦労には敵わないですし、
その大変さを想像しようとすることは出来ても
理解することは困難でしょう。
加えて自分の子だと感情的にもなりやすいだろうし
他人の子ども・仕事で見るだけだから割り切れるんだと
言われるかも知れません。
それでもこの仕事を通じて、親御さんの大変さも
おこがましくも少しではありますが、
理解しているつもりです。
そんな自分がお役に立てるとしたら
自分がこの分野で経験したことや学んだこと、
勉強したことしかありません。
偉そうに言っている様に聞こえてしまっていたらごめんなさい。
あくまで子どもと接する発達障害分野の職員として接した
経験や学びをお伝えしているだけですので、
ご理解いただけたら幸いです。
子どもから言うことを聞かなきゃと思われる大人になる
さて、この記事をご覧になっている方は、
おそらくお子さんがなかなか言うことを聞かなかったり、
叱っているつもりが感情的に怒ってしまって自己嫌悪に陥ってしまったり、
父親の言うことは聞くけど母親の言うことは聞かない、などなど…
様々なお困りがあるかと思います。
この記事では放課後デイなどで管理者として発達障害の子ども達と接して経験したことや、
筆者が独学で学んだことを皆さまの子育てに活かせればと思い発信させて頂きます。
まずは子どもの叱り方や褒め方の前に、子どもが大人の言うことを聞ける状態が
必要になります。
そのためには子どもが言うことを聞く気になれない大人の特徴を知らないといけません。
筆者が考える、子どもが言うことを聞かない、
あるいは聞く気になれない大人の特徴をお伝えしていきます!
子どもが言うことを聞かない大人の接し方の特徴
子どもが言うことを聞かないと、だんだんこちらもイライラしてきて、
最初は我慢しようと頑張っていても最後には爆発してしまう、、、
わかります。誰しもそう言うことはあると思います。
自分の子どもなら尚更感情的になってしまうのではないかなと思います。
感情的になってしまうのは、
「なんで言うことを聞いてくれないの!!」
「何度も優しく伝えてるのにわかってくれない」
という気持ちから
「もうどうしたらいいかわからない…」
「言うこと聞かないならもう好きにして」
という、半ば諦めの気持ちが爆発してしまった経験はないでしょうか?
つまりはどう接したら言うことを聞くのか分からない状態になっている
ということです。
そこで、子どもが言うことを聞く気になれない大人の特徴を知ることで、
ますはそういう大人にならないように気をつけるために、
その大人の特徴を知ることが大切です。
知ることができれば気をつけることができます。
でも何言っても言うこと聞かない現状から言うことを聞いてくれるようになるの…?
はい!子どもは大人の態度や言動に敏感ですよね。
こちらの対応が変われば子どもの反応も変わるはずです。
子どもが言うことを聞く気になれない大人の特徴を以下にまとめました!
- ガミガミうるさいだけの大人になっている
- 恐怖で子どもをコントロールしようとしている
- 子どもの感情に揺さぶられ子どもの言いなりになっている
一つずつ見ていきましょう。
①ガミガミうるさいだけの大人になっている
この場合は注意が必要です。
こちらはちゃんと注意しているつもりでも、
子どもが言うことを聞かないとだんだんイライラが募り、
感情的になってしまうことがあるかと思います。
感情的になると今まで我慢して飲み込んでいたことも
ついつい口に出してしまい、余計に叱ったり怒ったりしてしまいます。
すると子どもからすると、
「また始まったよ〜」「怒られるのは嫌だから返事だけ適当にしておこう」
ガミガミと怒られるのに慣れてしまうと子どもからしたら、
「うるさいなぁ」くらいにしか思われていません。
はたまた、反発してきて今度は子どもが怒り出すこともあるでしょう。
この関係性のままでは中々子どもに言うことを聞いてもらうのは難しいでしょう。
「そんなことはわかってても出来ないから難しいんじゃボケえぇ」
という声が聞こえてきそうですが、、
後ほど対処法もお伝えさせていただければと思います。
女だとダメなのかしら、、父親だと怖いからかあまり反発しない、、
怖いから言うことを聞く子もいるでしょう。
しかし、怖さで言うことを聞かせると言うのは
よくありません。
言うこと聞かないより、怖いからと言う理由でも
言うこと聞く方がいいんじゃない?
確かに言うこと聞かないより言うこと聞いている状態の方がいいと思われがちです。
実際の教育現場でも怖い先生やスタッフの方が重宝されたり、頼りにされたりするのが
残念ながら実情です。
しかし、怖さでコントロールすると言うのはその場しのぎでしかないのです。
次の項目でご説明します。
※誤解のないようにお伝えしますが、
強く叱ることや叱った際に怖いと思われるのが悪いとは全く思っていないです。
筆者も子どもたちには怒ると怖いから冗談で鬼と言われていました笑
しかし、子どもたちが素直にいうことを聞いてくれたのは
怖さでコントロールしているのではなく信頼関係があったからと
自信を持って言えます。
②恐怖で子どもをコントロールしている
皆さんの親御さんや学生時代の先生にも怖い人はいたのではないでしょうか?
この人の前ではあまり調子に乗ってはダメだ・大人しくしていようという風に。
先述した通り、怖さで子どもをコントロールするというのは、
その場しのぎにしかなりません。
むしろ長期的に見るとマイナスになります。
その理由は子どもが本音を言えなくなっったり、
自分の感情を出せなくなってしまうからです。
それに加えて、
怖さで子どもをコントロールしていると
怖い人の前でのみ、いい子になり、他では言うことを聞かないので
問題行動なども見えづらくなります。
どこに行っても怖い人や怖い先生というのはいると思います。
実際に福祉の職場でも子どもにとって怖い存在のスタッフはいます。
そのやり方がいいとは思いませんが、正直どうすることもできないので
子どもたちには心の中で
「社会にはそういう大人も沢山いるから経験だと思ってね」と思っています。
しかし、親御さんは別です。
子どもにとって父親や母親は唯一無二の存在です。
その特別な存在の皆さんがお子さんにとって怖いから仕方なく
言うことを聞く関係性ではお子さんのストレスが溜まってしまうかも知れません。
本当にいけないことをした時やここぞという時に
強く叱って子どもが言うことを聞く関係なら問題ないと思います。
常に子どもにとって怖い存在になってないか注意してみましょう。
次に、
子どもを怖さでコントロールするのもよくありませんが
子どもの感情に揺さぶられて言いなりになってしまうのもやはり
よくありません。
このことについて次の項目でお話しします。
③子どもの感情に揺さぶられてしまう
これは例を挙げると
- 叱ると子どもが癇癪を起こすので子どもの顔色を伺ってしまう
- 叱ると逆ギレしてくるので叱るべきことも黙認してしまう
要は実際の関係性はともかく、言いなりになってる形の状態です。
子どもは無意識に大人の隙や付け入るところを探しています。
これはその子の性格が問題なわけでも、それが悪いという話ではありません。
本能的に、自己防衛的にそれを無意識にしているのだと思います。
これに関しては筆者の完全なる主観になります。(経験則に基づくところが大きいです)
子どもはどうしても大人との力関係では弱い立場にあります。
叱られたり怒られることはあれど基本的に大人を叱ることはないでしょう。
子どもだって大人に不満を抱くことは日常的にあることでしょう。
しかし大人に力では勝てません。
ではどうするかと言うと感情に訴えかけてくるのです。
泣いてみたり、怒ってみたり、いじけてみたりと
子どもによって違うと思います。
これは決して子どもは演技をして大人を騙そうとしいる!
と言いたいわけではありません。
泣くのも怒るのもいじけるのもその子の素直な心の表れだと思います。
ここで子どもはその時の大人の反応を見て学んでいくのです。
こうすると大人はこうなると。
叱られた時に大泣きする→慰めてもらえる
注意されたら逆ギレする→叱られなくなる
このようなことを経験として積み重ねて学んでいきます。
子どものこういった反応が出てくるのは至って健全と思います。
叱って大泣きした時や叱ると逆ギレされるともう叱るどころじゃなくなる…
じゃあどうしたら良いわけ??
これはズバリ、
淡々としている事です。
筆者が子どもと関わる際に気を付けていることは
子ども達が泣こうが喚こうがいじけようがキレようが
意に介さず平然とする事です。
もちろん状況によっては感情を出して叱ることもあります。
しかし基本的には平然としています。
子どもが何をしようが動じない姿を見せます。
このように子どものどのような行動にも左右されずに
何事にも動じず淡々としていると、
大人がどう思っているか、どう感じているか分からないために、
子どもは次のアクションに戸惑います。
(これは子どもが意識的に行なっているものではなく無意識または潜在意識で
考えている事と捉えて下さい)
しかし、ここで泣き喚けば寄り添ってくれて、
ここでキレれば大人から何も言われなくなるということが分かると、
子どもは同じ行動を繰り返すようになります。
すると大人はどんどん焦り、
知らない間に子どもの顔色を伺っている形になってしまいます。
こうして悪循環が生まれ、
顔色を伺っていることが子どもに伝わり
行動がさらにエスカレートしていきます。
ここまで子どもが言うことを聞かない接し方の特徴はわかりましたと。
肝心な言うこと聞くようにするにはどうするの??
はい、次にいきましょう!
叱るのは褒めるorフォローとセットで行う
次に子どもが言うことを聞くように叱るにはどうしたら良いのか?
以下にまとめました。
- 日常的に感情的に叱らない
- 恐怖で支配しない
- 子どもの感情に左右されずに淡々と接する
- 叱るのは褒めるorフォローとセットで行う
上から3つは前の章でお話しした事と重複するので、
ここでは、
『叱るのは褒めるorフォローとセットで行う』について
お話ししたいと思います。
普段お子さんを叱ったあと、
お子さんはどのような気持ちになっているでしょうか?
叱られて嬉しい子はいないと思うので
へこんでいたり、ムッとしていたり様々だと思います。
筆者が普段子どもに叱ったあと気を付けていること、
それが褒めること、またはフォローです。
叱ったままですと、
子どももこちらに対して
「怖い」「悲しい」「まだ怒っているかも」と
思うかも知れません。
なので叱った後に、
子どもが行動を改めたら
→褒める
叱られたことを引きずっている場合もあるので
→フォローの言葉をかける
フォローの言葉とは、
子どもが叱られたという意識から
前を向いて頑張る意識に変える言葉です。
例えば、
「よし!ちょっとでも勉強頑張ってみようか!」(勉強をしないで叱った後)
「お片付け終わったらいっぱい遊ぼう」(片付けをしないで叱った後)
このような言葉を筆者はかけています。
なんでもない当たり前の言葉のように思いますよね?
親御さんでしたらこのような事は当たり前にしている方も多いと思います。
しかしもう少し踏み込んで、
なぜこのような言葉をかけるかに注目してみて下さい。
先ほど書いたように子どもの意識を
叱られた意識から前向きな意識に変える為ということに加えて、
「もうこちらは怒ってないよ」というサインを子どもに示すためです。
もっと掘り下げるとフォローの言葉には、
「叱ったのはあなたが嫌いだからではなくて、あなたの行為を叱ったんだよ」
というニュアンスが含まれています。
もちろん、直接的にこのような言葉をかけてあげるのも良いと思います。
直接的でなくても、
意識しないでフォローの言葉を伝えるのと
このような意識が頭にありながらフォローの言葉をかけてあげるのでは
伝わり方も違います。
後者の方がより子どもが安心感を感じて、
気持ちを切り替えられていると、
筆者自身がこの意識でフォローの声かけを始めてからより感じました。
そして、
この安心感与えることこそが、
子どもが言うことを聞こうと思える大人なのではないかと
実際に子どもと接して実感しました。
ここまではどのような大人の言う事を聞かない、
どのような大人の言う事を聞くのかを
筆者が体験し感じた視点でお話しさせて頂きました。
ここまで読まれた方は、
「それはわかっててもできないから大変」
「自分の子どもを見るのと仕事で見るのは違う」
と思われたと思います。
確かに分かってすぐに出来たら苦労しませんし、
自分の子どもを見るのと仕事で子どもを見るのも違うことは
理解しているつもりです。
ここで一つ言えるのは、
自分の子どもではなく仕事で子どもを見ていたにせよ、
たくさんの様々な性格や特性の子どもと多くの時間を
過ごしてきました。
そして筆者自身もはじめは叱り方も接し方も褒め方もままならず、
悩みながら少しずつ前に進み成長してきました。
子どもが言う事を聞かずにイライラしてしまうことも
もちろんありました。
イライラしているのを責めることもありましたが、
ふと思いました。
なぜイライラしてしまうのだろう?と。
その時の気づきや学んだこと勉強したことを次にお伝えさせて頂きます。
大人がイライラしてしまう理由を見つける
イライラしてしまうのは人間なので仕方ないことです。
でも出来るだけイライラしないで済むのならそうしたいと思っていると思います。
何事もそうですが何かを変えたいと思ったら原因を知る必要があります。
ではイライラしてしまう原因をまず見ていきましょう。
「わかっていても出来ないから困っている」
これも重々承知していますが
行動を振り返る意味でも見ていただけたら幸いです。
子どもが期待通りの行動をしてくれないから
まず一つ目に
『子どもが期待通りの行動をしてくれない』ということが挙げられるでしょう。
- 片付けをしない
- お風呂に入らない
- 歯磨きしない
- 宿題をしない
などなど、特に発達障害のお子さんをお持ちの親御さんでしたら、
日常でさまざまな期待通りの行動が見られない場面があると思います。
何回も同じ注意をしているうちにだんだんイライラが込み上げてきて
爆発してしまうことも多いのではないかと思います。
そんな時に一度試して頂きたいことがあります。
『こんなに強く叱ることって本当に必要??』と
心の中で自分に聞いてみてください。
このひと呼吸を置くことを癖にすることで
叱らなくて良いことで叱ってしまったり、
『叱るべきだ』とある種思い込んでいたことが実はそこまで
『叱らなくてもいいこと』ということに気づけるかもしれません。
ちなみに怒りのピークは長くても6秒と言われています。
これは科学的根拠に基づいたものとなります。
反射的に叱ってしまわないように気をつけて
ひと呼吸置く癖がついて6秒も経つと
怒りのピークは超えているというわけです。
子どもに過度な期待をしすぎている
期待とは子どもの成長にとってとても重要なことです。
ピグマリオン効果というものをご存知でしょうか?
教育現場でもピグマリオン効果が認められた実例があります。1964年、サンフランシスコの小学校で、ハーバード式突発性学習能力予測テストと名付けた一般的な知能テストが行われました。
テストの際、学級担任に「これから数カ月の間、成績が向上する生徒を割り出すための知能テスト」と説明をし、テスト後に、検査結果とは関係なく無作為に抽出した生徒の名簿を見せ、「この生徒たちが成績が向上する生徒である」と伝達したのです。
すると、学級担任に「成績が向上する生徒」と見せた生徒の成績は向上していきました。
報告論文では、
- 学級担任が期待のこもった目で一部の生徒を見た
- 一部の生徒も自分が期待されていることを意識した
両方が成績向上の要因になったと主張しています。
https://www.kaonavi.jp/dictionary/pygmalion/
つまりピグマリオン効果とは
「心から相手に期待すれば、相手がその期待に応えてくれる」
「期待が相手に対して良い影響を与える」という心理効果のことです。
科学的知見から見ても子どもに期待をすることは大切な事がわかります。
しかし、子どもに期待をしたからといってすぐに期待に応えられる子は多くないと思います。
特に発達障害のお子さんならそう感じる場面が少なくないはずです。
期待することはいいことだけれど、
期待した結果がすぐに返ってこないことに焦ったり、イライラしてしまうと
むしろお子さんからすればプレッシャーや不安の要因になってしまうかもしれません。
お子さまの今できること以上の期待を気付かないうちにしている場合も
もしかしたらあるかも知れません。
この機会に、普段期待しすぎていうことがないか?を
振り返ってみてください。
親だって人間だし、イライラしたくてしてるわけじゃないし、、
我慢ばかりしていたら親も潰れちゃう…
本当にその通りです!親だって怒っていいと思います!!
次の章いってみましょう。
【怒りの正体】怒ってしまうのは悪いことではない!!
これまで、いうことを聞きたいと思われない大人の特徴や感情的に叱らないようにしましょう!
などと言ってきて、
もし怒っているのがいけない・責められている、と感じた方はごめんなさい。
自分が伝えたかったのは
『こうしたら何か今の子育てのヒントになるかも知れません』というもので
親御さんの育て方を否定する気も間違っているとも思いません。
というよりイチ指導員の筆者が親御さんにそんなことを言う資格はないのです。
筆者が伝えたことをそのまま全部取り入れたとしても
100%うまくいく保証はないですし、子どもの数だけ正解は異なります。
それにイチ指導員の筆者でさえ子どもと接して感情的になってしまうことはあります。
それがいけないことだと思っていた時期もあります。
しかし、
自分の支援を振り返る過程で
「感情を出すことはいけないことなのか?」と考えるようになりました。
たどり着いた結論は『感情を出すことも時と場合によっては必要』と言うことです。
これについて詳しくお伝えする前に、
筆者が筆者が「感情を出すことはいけないことなのか?」を振り返る過程で学んだ
『怒りの正体』についてお伝えさせていただこうと思います。
怒りとは第二感情
そもそも感情には2種類あると言われています。
第一感情と第二感情です。
感情を大きく分けるとすぐに思い起こされるのが
『喜怒哀楽』だと思います。
喜怒哀楽を第一感情と第二感情に分けると
第一感情は…喜、哀、楽
第二感情は…怒
になります。
第一感情は自然と潜在意識から出てくる感情です。
第二感情は論理的に頭で考え生み出した感情です。
第二感情とは第一感情を基にして生まれます。
つまり怒りがくる前に別の感情があり怒りを生んでいるのです。
例えば、
お母さんが料理中に2、3歳の子が台所に入ってきたとします。
お母さんは子どもが台所でいろんなものを触ると危ないので
「危ないからお母さんが料理している時は向こういってなさい!」と
強く叱ってしまったとします。
ここでの第一感情は
『子どもが怪我をしないか心配』という感情です。
つまりは我が子が心配という優しさの想いから
「危ないからお母さんが料理している時は向こういってなさい!」
という強い言葉が出てきているのです。
この怒りの前の感情(想い)を怒りにして伝えるのではなく、
第一感情のまま伝えることで伝わりやすくなります。
- 勉強しなさい!!
→勉強やる気にならないのはわかるけど、勉強もできるようになったら楽しいよ?
少しでいいから一緒に頑張ろ? - 片付けしなさいっ
→自分で使ったものはちゃんと自分で責任持って片付けられるようになって欲しいな
などなど、自分がどう思っているからどうして欲しいのかを
伝えるよにしてみるといいかもしれません。
怒ることは悪いことではない!!
怒るという行為は相手へ『自分は何をされたら嫌か』というのを伝えるサインでもあります。
そして、
自分という人間の『やって良い事と悪い事の境界線』を子どもに伝えるためでもあります。
子どもにはこの境界線をはっきり示してあげないと舐めてかかってくる事があります。
反対にこういう境界線がはっきりしていて、
いけないことをしたら叱る大人を、子どもは信頼します。
怒りの正体が分かり、怒りが大切ということもお伝えしました。
怒りは必要ですが、今までのまま怒っていては何も変わらないという方もいるかも知れません。
怒るのは悪いことじゃないけど、怒りすぎるのはだめ❌
聞いててややこしいと思います。
そもそも怒ってしまうのは子どもにこうなって欲しいからと叱っている延長で
だんだん感情的になって怒ってしまうのだと思います。
なので次の章では
『然るべき時に叱り、怒る感情に蓋をして我慢せず、望まないイライラをなくす方法』を
お伝えしたいと思います。
叱ると怒るを使い分ける
筆者は放デイの指導員として、教育者として、
子どもと接する上で心がけていたことがあります。
それは叱ると怒るを使い分けることです。
叱ることと怒ることは似ているようで性質が全く違います。
しっかり区別することが、
強く怒ってしまい自己嫌悪に陥ったり、無駄なイライラを減らす方法にもなると考えました。
叱っているうちに怒っちゃうから区別したところで意味あるの?
いきなり叱ると怒るを区別すると言われても、何のこっちゃと思われていると思います。
ここで叱ると怒るを明確に区別してみましょう。
叱ると怒るの定義
この定義はあくまで筆者が勝手に作ったものですが、
自分の中で定義し区別することで、より良い叱り方が実践できると考えました。
人間として、社会で生きていく上で好ましくない・ふさわしくない行為を子どもがした時にするもの。子どもがした行為に対して改善を促すこと、またはした行為がいけないということを気づかせること。感情的にならず、叱った後はすぐに気持ちを切り替え普段通り優しく接することが好ましい。(叱った後すぐに気持ちを切り替えられるなら、感情的に強く叱っても良い)
子どもの行為に対し、こちらが人として嫌悪を感じ、自然と湧き上がるもの。
叱るとは違い、感情を抑えず、こちらの嫌悪感を子どもに態度や言葉でぶつけてかまわない。
怒った後も無理に気持ちを切り替えようとせず、されて嫌だったことを態度で見せつける。
むしろそれが子どものためにもなる。
これが筆者の中での定義です。
簡単にすると,
叱るとは…大人が子どものために正しい行動を教える行為。なるべく冷静でいるべき。
怒るとは…大人と子どもの立場は関係なく、人として嫌な行為をされた時にする行為。
子どものためというよりは、こちらの尊厳を守るためにするもの。
筆者はこのように区別して子どもと接しています。
自分の中で、こういう時は叱る、こういう時は怒ってもいいという
線引きを考えて決めてみると、
叱りやすかったり、怒っても自己嫌悪に陥らずに済むようになると思います。
叱るのも怒るのもどちらも大切
叱ると怒るということを定義するというお話をさせていただきましたが、
筆者の考えは結局どちらも大切だということです。
ただし、落ち着いて叱るべきところで感情的になって怒ってしまうと、
子どもからすると、なんでもガミガミ言われているだけと感じてしまいますし、
怒るのもかなりエネルギーを使うので、怒って自己嫌悪に陥って疲れるという
両者にマイナスしかない状態になってしまいます。
反対に、怒るべきところで、(感情的にならずに)叱ると、子どもからしたら
インパクトが少なく、こちらの言葉が届きにくく気持ちが伝わりづらいかも知れません。
日常的にいつでも怒っていると、本当に怒った際も効果が薄まるため、叱る時の冷静さと、
怒る時の感情的な態度を使い分ける必要があります。
叱ると怒るの使い分けがしづらくて難しい、、という方は以下を参考にしてください。
・直して欲しい行動がある時(時間を守る、片付けをするなど)
→その子の今の能力では難しいことでも叱る。叱るとは改善を促したり、気づかせる行為なので
今の現状で出来ないことも伝え続けることが大切。
・子どもがしてはいけないことというよりこちらがされて嫌なことをしてきた時
(ex.暴言を吐いてきた、叩いてきた、繰り返し叱っても言うことを聞かない時など)
どういう時に怒るかは深く考えず、されて不快感を感じたら怒るべきでしょう。
→第一にこれは子どものためではなく、こちらがそれは許せないことだということを知らせるためにします。
感情的になることで、結果的に子どもに本当にしてはいけないんだ、されて嫌なんだということが伝わります。
筆者の中で、
叱るとは子どものためにすることですが、
怒るとはこちらの人間としての尊厳を守ることが第一にあると考えています。
叱るのは子どものためにしていることだから、こちらは冷静に接し、
基本的に子どもは言うことを聞かないものと割り切るようにしています。
そして、子どもに嫌なことをされたら迷いなく怒っていい、これらを決めただけで、
子どもと接する上での迷いがなくなり、毅然とした態度でいられます。
感情を抑えられず子どもに怒鳴ってしまっても自分を責めずに正当化すべし!!
叱っているつもりがいつの間にか怒鳴ってしまって…
後になって自己嫌悪に陥る…
ありますよね、
何度も何度も同じ注意を繰り返していても子どもが
反応しなかったり改めようとしないとき。
筆者も指導中にそのような経験はたくさんしてきているので、
親御さんなら尚のこと沢山ご経験あると思います。
イライラを減らして子どもと接したい。
でも怒ったり怒鳴ってしまう。
そんな時はどうか自分を責めないでください。
大人でも親でも完璧な人間などいないのです。
イライラを子どもにぶつけてしまって自己嫌悪、、
そんな時は、
自分のしたことを全力で正当化してください!!!
- 何度注意しても聞かないから怒鳴ってしまった。
- 淡々と叱っているつもりがイライラして怒ってしまった。
このような結果になっても落ち込んだり自分を責めずに、
全力で自分のしたことを正当化してください!!!
そんなことしていいの?自分のためにもならないんじゃない?
いいんです!
なぜなら子どもに対してした全ての行動に意味があるからです。
もちろん自分が子どもにしたことを振り返ったり反省したりすることは必要です。
しかし、落ち込んだり自分を責める必要は全くないのです。
全力で接しているからこそ、イライラもするし感情的にもなります。
大人・親といえどひとりの人間。子どもに対して腹が立つこともあるでしょう。
結果的にイライラして子どもに怒鳴ってしまい、
その結果子どもがさらに荒れるなんてことがあった場合、皆さんならどう考えますか?
筆者なら、反省はしますが自分のことは責めません。
「あそこはもう少し冷静でいるべきだったな、
でも強く怒鳴ったら少しだけ大人しくなる気配があったな」
「怒鳴ったら荒れちゃったから、こういう時は怒鳴っても意味ないかな?」
と振り返り、
『新たな一面を知る機会になったから良し』
『いつもと違う反応を見られたから良し』
『荒れちゃったけど、これだと上手くいかないことが分かったから良し』
と考えます。
どんな行動も何かしらの意味があるので(自分で意味を持たせることができる)、
落ち込んだり自分を責めたりする必要がないのです。
反対に落ち込んだり自分を責めてしまうと、自分のした行動をマイナスに捉えてしまいます。
それだと勿体無いので、自分のしたことは正当化して無理にでも行動の意味を
作ってみてください。
【親子で成長】叱り方がうまくいかなくても大丈夫
筆者は仕事で子どもと接する中でたくさん成長を感じることができます。
この仕事では、上司から教わることよりも子どもから教わることの方が
圧倒的に多いと感じます。
子どもと向き合い、その子のことを分ろうと考えること自体が成長につながると
思っています。
考えた結果、行動に移してもうまくいかないことが多々あります。
そういう時は失敗したのではなく、
また一つ学びを得たというふうに考えるようにしています。
発達心理科学の研究では、
子育てを通じて親も成長するということがわかっているそうです。
そこには自己抑制する能力、柔軟に対応する能力、視野の広がりなど、
このほかにも様々な領域があると言われています。
子どもを成長させるという考え方から、
この子と一緒に成長していこうと考えることが、
もしかしたら今の親御さんの気持ちを少し軽くしてくれるかも知れません。
発達障害の子の叱り方で唯一注意する点
発達障害の子も定型発達の子も叱り方は基本的に同じという
筆者の考えのもと進めてきましたが、一点だけ注意する点があります。
それは発達障害をもつ子の障害特性についてです。
障害特性によって出来ないことは叱るべきか否か、ということです。
例えば『勉強中に離席してしまう』ADHDの子を叱るかどうか考えます。
「ADHDだからしょうがない事」
「特性のことで叱ったら自己肯定感が下がる」
と言われることがあります。
しかし筆者の中の答えはノーです。
ADHDの子でも授業中の離席や立ち歩きがあった場合は
注意したり叱る必要があります。
それは将来困るからです。困らないのであれば構いませんが、
近い将来か、遠い将来かはわかりませんが、
座っていられないというのは困り事になると思います。
特性上その子にとって難しいことを怒鳴りつけて注意するのはよくないと思います。
しかし『叱るとは、必ずしも強い言葉で注意することではなく、気づかせたり改善を促すもの』と筆者は考えております。
【発達障害】叱るのは可哀想。ではない
この子はADHDだから忘れ物やじっとしていられないのは仕方ない。
この子は学習障害だから勉強が負担にならないように支援しないと。
そうではないのです。
昨今、世間的にも発達障害の認知もされてきて
知識を持つ人も増えてきたように思いますが、
支援することと甘やかすことが混同されているように感じます。
子どもが一人で乗り越える力があることを
大人が手を貸したり、この子にその力はないと決めつけてしまうと
子どもの成長を阻害してしまいます。
甘やかすこと=不必要な手助けを与えることだと思っています。
「発達障害の子を叱るのは可哀想だ」
ということをたまに耳にしますが、
特性上、出来ないことで叱責することは避けたいですが、
そういう人はその他のことでも叱らない印象があります。
いけないことをしたら、障害を持つ子でもそうでない子でも
しっかりと叱る。
叱られて自己肯定感が下がとしたら、
そもそもの叱り方を間違えているか、
叱った後のフォローができていないかだと思います。
筆者も放デイで管理者として勤めていた頃は、
いけないことをしたらはっきりと叱っていました。
強く叱ることもあれば、
気づきを与えるために優しく叱ることもありました。
強く叱られたら泣く子もいましたが、
それで自己肯定感が下がったこといないと断言できます。
それはなぜか?
ここで紹介した、
叱り方とその後の褒める事とフォローをしていたからです。
筆者の経験上、
筆者に強く叱られた回数が多い子ほど、
その子との関係も深くなるのが早く、
信頼して懐いてくれるスピードもはやく感じました。
子どもの問題行動や手を焼く行動には、
子どもが無意識に信じて良い大人かどうかをはかっているのかもと
思う事があります。
その度、自分はこの子達に試されているんだと思うことにして、
精一杯本気でぶつかろうと思います。
それは叱ることも褒めることも全部含めてです。
何度も言いますが、
放デイのイチ職員が数時間発達障害の子を見るのと
親御さんがお子さんを見るのでは全く違います。
到底親御さんの苦労には及ばず、そもそも土俵が違います。
それでも自分にできることは
自分が子どもたちと接した中で経験したことを
言語化して伝えることなので、
どうか優しい気持ちで読んでもらえたら幸いです。